ファイルダウンロード
Webテストでファイルダウンロードを自動化する際は、異なるブラウザ間で一貫した処理を行い、信頼性の高いテスト実行を確保することが不可欠です。
ここでは、ファイルダウンロードのベストプラクティスを提供し、Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeのダウンロードディレクトリの設定方法を説明します。
ダウンロードパス
テストスクリプトでダウンロードパスをハードコーディングすると、メンテナンスの問題や移植性の問題が発生する可能性があります。ダウンロードディレクトリには相対パスを使用して、異なる環境間での移植性と互換性を確保しましょう。
// 👎
// ハードコードされたダウンロードパス
const downloadPath = '/path/to/downloads';
// 👍
// 相対ダウンロードパス
const downloadPath = path.join(__dirname, 'downloads');
待機戦略
適切な待機戦略を実装しないと、特にダウンロード完了時に競合状態や信頼性の低いテストにつながる可能性があります。テストステップ間の同期を確保するために、ファイルダウンロードの完了を待つ明示的な待機戦略を実装しましょう。
// 👎
// ダウンロード完了の明示的な待機なし
await browser.pause(5000);
// 👍
// ファイルダウンロード完了を待機
await waitUntil(async ()=> await fs.existsSync(downloadPath), 5000);
ダウンロードディレクトリの設定
Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeのファイルダウンロード動作をオーバーライドするには、WebDriverIOのケーパビリティでダウンロードディレクトリを指定します:
- Chrome
- Firefox
- Microsoft Edge
loading...
loading...
loading...
実装例については、WebdriverIOテストダウンロード動作レシピを参照してください。
Chromiumブラウザのダウンロード設定
WebDriverIOのgetPuppeteer
メソッドを使用してChrome DevToolsにアクセスし、__Chromiumベース__のブラウザ(Chrome、Edge、Braveなど)のダウンロードパスを変更するには:
const page = await browser.getPuppeteer();
// CDPセッションを開始:
const cdpSession = await page.target().createCDPSession();
// ダウンロードパスを設定:
await cdpSession.send('Browser.setDownloadBehavior', { behavior: 'allow', downloadPath: downloadPath });
複数ファイルのダウンロード処理
複数のファイルダウンロードを含むシナリオを扱う場合、各ダウンロードを効果的に管理および検証するための戦略を実装することが不可欠です。以下のアプローチを検討してください:
順次ダウンロード処理: ファイルを一つずつダウンロードし、次のダウンロードを開始する前に各ダウンロードを検証することで、秩序ある実行と正確な検証を確保します。
並列ダウンロード処理: 非同期プログラミング技術を活用して複数のファイルダウンロードを同時に開始し、テスト実行時間を最適化します。完了時にすべてのダウンロードを検証するための堅牢な検証メカニズムを実装します。
クロスブラウザ互換性の考慮事項
WebDriverIOはブラウザ自動化のための統一されたインターフェースを提供していますが、ブラウザの動作や機能の違いを考慮することが不可欠です。互換性と一貫性を確保するために、異なるブラウザ間でファイルダウンロード機能をテストすることを検討してください。
ブラウザ固有の設定: Chrome、Firefox、Edgeなど、サポートされているブラウザ間での動作や設定の違いに対応するために、ダウンロードパスの設定や待機戦略を調整します。
ブラウザバージョンの互換性: WebDriverIOとブラウザのバージョンを定期的に更新して、最新の機能や拡張機能を活用しつつ、既存のテストスイートとの互換性を確保します。